ヒラギノフォントとは

ヒラギノフォントのデザインについて

ヒラギノフォントのデザインについて

ヒラギノフォントは、画像を多用するビジュアル雑誌への使用を主ターゲットとして開発された書体です。日本におけるモダンなタイプフェイススタイルの流れの中で、ヒラギノシリーズは、オーソドックスでベーシックな雰囲気を保ちつつ、明るくシャープであり、かつ現代的でクールなイメージをデザイン要素として加味しています。息の長い書体として長く使われることをめざし、細部に至るまで完成度にこだわっています。ヒラギノフォントは、これらのデザイン性が高く評価され、2005年度グッドデザイン賞「コミュニケーションデザイン部門」を受賞しています。

字面:やや大きめ

版面のグレートーンを揃えるため、アキ(すき間)を均一にする処理に加え、字面(じづら)をやや大きめに設定。また、仮名の字面を少し大きめに設定することで、ベタ組みにおける文字間の開き過ぎを軽減し、ベタ組みでも読みやすい版面を形成。縦横どちらの組方向でも使用できるよう、特定の組方向への要素を含まないデザインです。
この字面設計により、隣り合う文字との間に適度な空間が保たれ、読み取りやすい落ち着いた文字並びとなります。

字面はやや大きめ

フトコロ(カウンター):中庸

ヒラギノシリーズのフトコロは、やや広めで明るく設定。小さく締まり過ぎず、装飾書体のような大きなデザインではない中庸なものです。そのため癖がなく、幅広い用途に使用可能です。
フトコロが狭すぎると低解像度時のつぶれやすさにつながり、フトコロが広すぎると文字のかたちは正方形に近づいてシルエットの差が少なくなるため、読み取りにくさにつながります。ヒラギノシリーズは中間の適度な設計となっています。

フトコロ(カウンター):中庸

重心の位置:中位値

縦横どちらの組方向にも親和性を持つように、重心は高過ぎず、低過ぎない、視覚的に中位置に設定。重心が高くなると古い時代を想起させてクラシックな感じになり、逆に低すぎると幼い雰囲気に見えます。若く現代的な感覚となるよう、中庸な位置に重心を設定しています。

重心の位置:中位値

文字の濃度:均一に

文字の濃度が均一に見えるように各部のアキを設定し、線の密度に偏りがないように調整。文章を組んだとき、均一なグレートーンの版面を形成します。また、版面濃度が揃うことで画像との相性が向上し、ページ全体のバランスをよくする効果があります。
この均一なアキの設定により、小サイズの文字でもつぶれにくいという特徴を持っています。

文字の濃度を均一に

字游工房について

1989年に鈴木勉、鳥海修、片田啓一の3名で設立された、日本屈指のタイプフェイスデザインの企画制作会社。
SCREENのヒラギノシリーズ、こぶりなゴシックなどを手がける。「ヒラギノシリーズ」で2005年「グッドデザイン賞」、「游明朝体R」「游築初号ゴシックかな」などのオリジナル書体で、2008年東京TDC賞の「タイプデザイン賞」を受賞している。

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